職場があるこの駅を出れば、普段の私から「社会の私」になる。
それが嫌というわけじゃないし、正直仕事をしている自分も好きだ。
けれども心の中の私は、別の私を求めているのかもしれない。
そんな迷いの答えを見つけるため、身延山久遠寺へと旅に出た。
三門をくぐると目の前に現れた壁のようにそそり立つ石段「菩提梯」。
ここを登ると何かが見えてくるのかもしれない。
自分にそう言い聞かせながら、一歩を踏み出した。
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