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じもラブ Vol.07 あけぼの大豆生産者 小林あゆみさん

10年間の保育士生活を経て、もっと世の中のことを知りたいと“暮らし旅”を始めた小林あゆみさん。身延町を訪れたのは、2018年の冬の日のことでした。あれから4年。「今、居たいと思う場所は、間違いなく身延」と言い切る小林さんに、身延愛を語っていただきました。

10年間の保育士生活を経て、もっと世の中のことを知りたいと“暮らし旅”を始めた小林あゆみさん。身延町を訪れたのは、2018年の冬の日のことでした。あれから4年。「今、居たいと思う場所は、間違いなく身延」と言い切る小林さんに、身延愛を語っていただきました。

 

「あけぼの大豆」との運命的な出会い

あけぼの大豆と小林あゆみさん身延は、豊かな自然があって、住んでいる人もあたたかくて、とても良いところ。私自身、懐の深い心根のあたたかいこの町の人達にどれだけ助けられてきたかわかりません。ただ、身延の本当の魅力はもっと深いところにあるのかなとも感じていて…。人ぞれぞれ感じ方は違うかもしれないけれど、私にとっては「あけぼの大豆」の存在がすごく大きいですね。

​あけぼの大豆は、一般的な大豆の2倍近くの大きさがある身延町特産の大豆です。古くから町内の曙地区でのみ生育する「幻の大豆」と呼ばれていましたが、10年ほど前から町を挙げて栽培に取り組んだ結果、収穫量が増え知名度も上がって、知る人ぞ知る名産品となっています。特に枝豆は人気があり、食べると、甘くてホクホクとした食感があってとっても美味しいんですよ。

 

あけぼの大豆

 

私は、5年前に身延へ来て、縁あって地域おこし協力隊に採用していただき、あけぼの大豆の栽培に挑戦をすることになりました。農業は初めてでしたが、一粒の種から、芽が出て、成長して行く姿を見たときに、素直に「可愛いな」って思ったんですね。それからは、それこそ無我夢中で育てるなかで、あけぼの大豆への愛情が膨らむと共に、町の人が自分の町に誇りを持つきっかけの一つになっていくんじゃないかとも感じるようになりました。

 

あけぼの大豆を収穫する小林あゆみさん

 

町内にあるこども園や、町内の小中学校で活動させてもらえていることにも、幸せを感じてきました。小学校では、「あけぼの大豆とは」という学習を一緒にさせてもらって、種まきをして、枝豆の収穫をして、大豆の収穫をして、調理実習をするか、まとめをするという形で、年間を通して関わらせてもらっています。活動を通して、「農作業って楽しい」とか、「あけぼの大豆って美味しい」とか、そういう「いいな」という思いがいっぱい生まれて、子ども達の心のどこかにその記憶が残ってくれたらいいなと思うし、私自身も、子ども達の身近で一緒に楽しみながら、そういう思いを共有していける人でいたいなと思っています。子ども達はいずれ町の外に出てしまうかもしれないけれど、そういう記憶が、「自分のふるさとはすごくいいところなんだ」という思いにつながって、何かあったときに「身延に帰ろう」と思えたり、自信を持って生きていく原動力になったりすると思うので。最近は、町で会った子ども達が声をかけてくれ、「大豆食べたよ」「今年も美味しかったよ」なんて話してくれる場面も増えていて、今までの積み重ねが少しずつ形になってきているのかなと感じています。

 

小林さん集合

 

このまちで生まれ育つ子ども達に、
自分の町にはこんなに誇らしい物があるのだと、伝えていきたい。

小林あゆみさんインタビュー地域おこし協力隊を卒業した今は、自分で畑を借り、あけぼの大豆を育てて出荷しています。自分が作ったものを食べてくれる人がいるということが、思った以上に大きなやりがいになっていますね。欲しいな、買ってみたいな、と思うものを手にする立場から、提供できる立場になったわけですから。これからも、いろんな人とのつながりを通して、「あけぼの大豆って良い物だよ」ということを私なりの方法で伝えていきたいと思っていて、「ここにこの人がいる、こういうものがある、だから来たいな」と思ってもらえる、そんな人間のひとりになれたら嬉しいですね。

 

 

小林あゆみさんインタビュー2子ども達との関わりは、今も、そしてこれからも、大切にしていきたいと思っています。ありがたいことに、こども園や小学校での授業は継続させてもらえているので、さらに良いモノにしていけたらと思っています。
加えて、子ども達が自分達の町にあるものに触れる機会をもっと作っていきたいとの思いから、最近、地域の育成会の方々と一緒に、定期的に親子で畑の活動をする「寺子屋ファーム」を始めました。自分が借りている畑を解放して、地域の子ども達と一緒に種まきをしたり、収穫をしたりしています。また、参加させてもらっている町の直売会にも、お仕事体験と称して地域の子ども達に参加してもらっています。あけぼの大豆を求めて身延を訪れた方が、「やっぱりいいよね」などと言っている声を直接聞いて、「嬉しいな」と感じたり、「働くって楽しいな」と思ったりしてくれたらいいなと思っています。

農業をしていると、世の中にはいろんな生き物がいて成り立っていること、例えば、土を作ってくれる分解者のバクテリアやミミズ、受粉してくれる蜂がいるから、作物が作れるんだということを実感する機会が日常的にあって、人間本位ではない考え方、人間だけの視点ではないものの見方、考え方を学ばせてもらっている気がしています。近年問題になっている鳥獣被害も、彼らは彼らで生きるためにそうしているんだよなとか。でも、本来里山にいるはずのない彼らが来るのは、そもそも人間が森を壊してしまったからだよなぁとか…突き詰めていくと、全部がつながっているんですよね。もちろん簡単に解決策が見つかるはずはないのですが、そういうことからも眼を背けず、考え続けていきたいと思っています。

 

 

大好きなのは、身近な自然の中で過ごすこと。
身延で発見した場所や新しい楽しみ方を、SNSで発信していきたい。

最初の頃は、遊ぶ時間を作るために、朝早く起きて暗いうちから畑仕事をしていました。最近はさすがに減りましたが、根底にある考え方は同じで、今もよく遊びに出かけます。身延は、自然のなかで、山の遊びも、水の遊びも、両方できるのがすごくいいですね。メジャーどころでは、本栖湖。いつ行っても水がきれいだから、キャンプをしても気持ちがいいし、サップやカヌーで湖に漕ぎ出すのもすごく楽しい!冬には、ダイヤモンド富士も見られます。

誰も知らないであろう所を探検して、自分だけの場所を見つける楽しみも、身延でなら味わえます。以前滝登りに登っていたときは、滝を探しては登りに行っていました。山の中って、結構、滝があるんですよ。最近は渓谷が気になっていて、川に沿って車で行けるところまで行き、歩いて森のなかへ入っていきます。その先に何があるのか、どんな景色が広がっているのか、想像しながら歩くのはとても楽しいですね。
そうやって、最近見つけたのがお気に入りの場所が栃代川の上流。何もない場所ですが、水がとてもきれいなので、コーヒーを沸かして飲みながら、本を読む。私にとっては大切な時間です。

去年は366日投稿を自分に課して、身延で見たもの、食べたもの、発見した事、やった事、感じた事など、いろんなことをインスタグラムに投稿しました。ただでさえ良いところがたくさんある身延ですが、外から来て今ここにいる私だからこそ感じられる魅力もいっぱいあると思うので、これからもあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしながらどん欲に身延を探究し、SNSで発信していきたいと思っています。

 

Ayumi’s Photos

栃代川

家の上の景色

本栖湖カヌー

本栖湖キャンプ

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