下部温泉郷を巡る - Vol.2 - 下部温泉郷の美味を堪能!「美食の宿編」
「癒し湯」として名高い下部温泉郷。戦国時代には武田信玄の隠し湯の里として、傷ついた兵士を癒し、戦国最強と言われる武田家の武勇を下支えしたとも伝えられます。
疲労回復や美肌をはじめ、傷やヤケド痕の緩和、神経痛、内臓系疾患など、さまざまな効能が期待されるとあって、今なお定期的に訪れる湯治客が多い一方、近年では、四季折々の風景や情緒ある昭和レトロな佇まいに「癒し」を求めて訪れる観光客も増えているそうです。
さて、そんな下部温泉郷の魅力をさまざまな角度から紹介する「下部温泉郷を巡る」。第2弾は、食事に力を入れている温泉宿を紹介します。
旅宿 梅ぞ乃
旬のものや地場食材をふんだんに取り入れた、五感で四季を味わう自然会席
自家製梅酒の食前酒にはじまり、前菜からデザートまで、常時8~10品で構成された自然会席。身延町特産のあけぼの大豆で味噌を仕込むなど、旬の野菜や地場食材を随所に使い、季節感も盛り込みながら、見て楽しく食べておいしい食事を提供しています。
旺盛な好奇心でおいしさを追求し、長年試行錯誤を重ねてきたというご主人のこだわりが感じられるメニューとなっており、例えば、身延特産の生ゆばを、一晩特製みそに付け込んだ後じっくりとスモークしたオリジナルの「ゆばのスモーク」は、甲州ワインはもちろん日本酒やビールにも合う逸品。調理する直前まで清流で泳いでいたヤマメの塩焼きも、ふっくらジューシーで身離れがよく、とても美味しくいただけます。さらに、山梨が誇るご当地サーモン「富士の介」と「甲斐サーモン」は、それぞれの持ち味が存分に活かされるようお造りと鍋で提供するなど、素材を楽しめるのも嬉しいところ。一皿一皿の盛り付けも美しく、お椀の蓋を開けるたび「わぁ」と嬉しい驚きがあって、食事をさらに楽しくしてくれます。
コースの最後は、スイートコーンや栗、サツマイモなど、季節の野菜を炊き込んだごはん。デザートは、旬のフルーツと自家製柚子カステラなどの盛り合わせと、最後まで細やかな心遣いが感じられます。
庭には旅館名の由来ともなった梅をはじめ、栗やゆずなどの木々があり、早春には見事な梅花と甘い香りが訪れる人を迎えてくれるほか、収穫した実は梅酒や梅干し、栗ごはん、柚子こんにゃく、柚子カステラなどとして提供されています。
メニュー例)
食前酒(自家製梅酒)/前菜5品(豆乳豆腐、ゆばの燻製、金柑の蜜煮、そら豆、白和え)/お造り(富士の介、柚子こんにゃく、生ゆば、まぐろ)/酢の物(揚げ鶏、長芋、ホタテ)/季節の野菜の炊き合わせ/豆乳鍋(ふじざくらポーク、甲斐サーモン)/焼き物(ヤマメの塩焼き 梅寒天)/揚げ物(ふきのとう、エビなどのてんぷら)/サツマイモごはん/豆腐入り白玉団子のお味噌汁/デザート盛り合わせ(季節のフルーツ、自家製ゆずカステラ、自家製プリン)
山沿いにある隠れ家的温泉旅館で、自然を感じながらのんびり過ごす
創業は昭和30年。下部温泉郷の駅から徒歩3分というアクセスの良さにもかかわらず、周囲に広がる豊かな自然と、温泉街の喧騒から離れた静かさが魅力のひとつです。
客室は、大小6部屋。窓の外には四季折々の自然が広がり、山沿いを走る身延線の車両を眺めることもできます。加えて、内風呂付きの趣ある離れも4棟あり、小さな子どもを連れての家族旅行や気の置けない仲間とのグループ旅行などにも最適。夕食が各部屋で提供されるので、他の客の目を気にすることなく寛ぎ、自分たちのペースで堪能できるのもポイントです。
お風呂には、名湯と名高い下部温泉のぬる湯とあつ湯が用意されており、ゆっくりと交代浴をして癒されるのがおすすめ。また、敷地内に本格的な茶室「梅光庵」があり、茶道を嗜む女将さん主宰でときおり茶会が開かれるほか、お茶事を催すこともできます。茶懐石の用意も可能なので、興味ある方はご相談ください。
旅宿 梅ぞ乃
山梨県南巨摩郡身延町上之平1848-8
電話番号:0556-56-0306
ホームページ<外部リンク>
不二ホテル
ココロもカラダもホッと一息。ヘルシーで胃にも優しい「お野菜と雑穀のお料理」
通常の食事では胃もたれがするという方や、ベジタリアンの方、お肉やお魚は苦手な方にも安心して召し上がって頂けるのが、不二ホテルが提供する「菜食プラン」。動物性の食品をはじめ、乳製品や玉子、白砂糖を一切使わず、野菜と雑穀、そして調味料にもこだわって作られている、疲れた胃腸にも優しいサイドプランです。
※「菜食プラン」は5日前までの予約制。
野菜ソムリエの資格を持つ女将さんが厳選した旬の地場産野菜に加え、敷地内で採れる山菜や野草、木の芽なども使いながら、季節感を演出。自家製の梅酢ドレッシングを使った「ひじきとトマトのマリネ」や、炊いたヒエと板麩を使い魚に見立てた焼き物の「ゴマ焼き」など、時間をかけて丁寧に調理された品々はどれも秀逸。昆布だしと醤油、味噌、塩などをメインとしたシンプルな調味料と、引き出された素材の味が溶け合って、バラエティに富んだ味に仕上がっています。見た目も食べ応えも、野菜と雑穀のみとは思えないボリューム感がありつつ、実はとってもヘルシー。お腹いっぱいなのに、胃もたれしないのも嬉しいポイントです。
日常を離れ、温泉で過ごすせっかくの休日。外食続きで疲れた胃を休め体の中から元気にしてくれる、菜食プランを選ぶのも一考です。
メニュー例)
天ぷら(レンコン、じゃがいも(レッドムーン)、ピーマン、椿の花、舞茸)/車麩の赤ワイン煮/ひじきとトマトのマリネ/ゆばの刺身/白身魚風雑穀の焼き物/揚げ餅の大根のみぞれ餡掛け/甘酒とゴマのたれをかけた小松菜のおひたし/つけもの(ニンニク風味の大根の浅漬けと柚子醤油で漬けたゴボウ)/雑穀のデザート(雑穀粉とリンゴジュースで作るノンシュガースイーツ)
宿泊も、日帰り入浴と女将特製ランチがセットになった欲張りプランもおすすめ
下部温泉の中心街からは少し離れた、常葉川のほとりにある湯沢温泉郷。
不二ホテルは、昭和12年に創業した、湯沢温泉郷唯一の湯治宿。実は源泉も下部温泉とは異なる単独源泉となっており、泉質はアルカリ性単純硫黄温泉。全国的にも珍しい約26℃の源泉かけ流しの冷泉が露天風呂で楽しめます。加えて、サウナと、約36℃と約41℃に加熱した2つの浴槽のある浴室もあり、交代浴はもちろん、好きなスタイルでゆっくりとお湯を楽しめるのも魅力。効能は幅広く、病気療養をはじめ、腰痛や筋肉痛、肌疾患などにも効果が期待できます。宿主によれば、露天の源泉は、入った時は「冷たい」と感じても次第に体の芯からポカポカとしてくるそうで、効果を上げるためにも、シャワーなどのかけ湯をせずお風呂からそのまま上がるのが良いとのことです。
客室は、昔ながらの和室を中心に9部屋。一人旅に最適な部屋も、大家族でワイワイ泊まれる大部屋もあります。
一方、身延町内の人にも人気が高いのが、気軽に楽しめる日帰り入浴。3時間以上の入浴と、野菜たっぷりでバランスの良い「日替わりお任せランチ」に、送迎サービスまで付いた「日帰り入浴&ランチプラン」もおすすめです。(要予約)
※送迎サービスは波高島駅か下部温泉駅またはそれと同距離のエリアまで。
不二ホテル
山梨県巨摩郡身延町上之平1525
電話番号:0556-36-0219
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